メッセージアプリの覇者 中国テンセント社のAI事情

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中国を代表するIT企業の一つであるテンセント社。AI市場は今後、大規模市場へと成長し、2022年には160億米ドルになると予測されていますが、この様な時代の流れに乗るべく、テンセント社もAIに関する研究開発を強化しています。中国AI事情2回目となる今回は、テンセント社の特長に迫っていきます。

 

メッセージアプリ“WeChat”で有名なテンセント社

テンセント社といえば、巨大な人口を持つ中国国内にて、多くのユーザーに使用されているメッセージアプリ「WeChat」や「QQ」をリリースしている企業です。中国国内における巨大IT企業として有名で、2017年には時価総額約34兆円に達し、世界の時価総額ランキングにもTOP10入りを果たしています。
収益の柱としては、モバイル関連の付加価値サービス、ネット広告、Eコマースなどがあります。その中でも看板商品であるアプリ「WeChat」や「QQ」で、中国国内に巨大な顧客基盤とブランドを築きあげています。

事業の柱となる「WeChat」は、単なるメッセージアプリではなく、音声や動画の送付、モバイル決済、広告、ゲームとしても利用できるアプリです。中国国内では約8億9000千万人が使用していると言われ、モンスターアプリの座を獲得しているといえるでしょう。
世界中のブランドがWeChat上にアカウントを持ち、商品情報やキャンペーン情報の発信や、マーケティングに活用しています。
日常生活においても、単なるゲームアプリとしてではなく、タクシーを呼ぶ、自転車のレンタルサービス、物販サービスなど、中国国民にはなくてはならないアプリとなっています。
WeChat内のアプリを使用して、タクシーを呼ぶことや、自転車をレンタルすることもでき、Wechatの電子決済機能を活用して物販している人もいることから中国国民にとってなくてはならないアプリといえるでしょう。

 

米国にAI研究所を設立

テンセント社は、AI事業をWeChatと組み合わせ、更なる事業拡大に向けて動き始めています。最近では、米国シアトルにAI研究所を設立することを発表しました。2016年にはすでに、中国深セン市に研究所を設立していますから、米国シアトルは2カ所目のAI研究所となります。
シアトルの研究所は、音声認識と自然言語の処理がメインに、研究を進めるようです。今後AIとWeChatを組み合わせることにより、大きなイノベーションがやってくるかもしれません。
AI分野では、検索大手のバイドゥと比較するとやや遅れをとっている印象を受けるテンセント社ですが、その圧倒的なアクティブユーザー数と、それにより発生するビッグデータ、豊富な資金力により、今後は急速に存在感が高まっていくと言えるでしょう。

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AIが膨大なデータからファッションセンスを分析

テンセント社の具体的なAI分野の成果として、「中国の若者のファッショントレンドの分析」があります。これは、テンセントのメッセージアプリQQ上にある何十億枚もの写真を処理し、人気の生地の種類と色を分析することで、若者が花や文字の入った柄を好むことを発見する、というものです。
中国人デザイナーの張馳氏は、テンセント社のAIチーム(Youtu Lab)から受けた調査結果を元に作品を作り出し、New York Fassion weekで発表しています。

今後の展望は?

テンセント社のAIチーム(Youtu Lab)は今後、画像認識技術の向上、音声認識、クラウドコンピューティングにも注力をしていく方針です。例えば、画像認識では一枚の写真で個人を特定するだけではなく、1対Nでの顔認識機能として、任意の数から特定の人物の写真だけを特定できる機能をサポートしていくようです。
また、音声機能では「ユーザーの鼻歌や歌から曲を認識して検索する機能」が強化されています。さらに2016年、クラウドコンピューティング部門の世界的コンテストで、テンセント社は100テラバイトのデータを99秒で処理し、中国アリババ社の持つ世界記録を破りました。
今後テンセント社は、電子決済などのビッグデータからユーザーの行動パターンをAIで分析し、提携企業の業務効率化のサポートや、WeChatを柱にしたEコマース、マーケティング、ファイナンス、ヘルスケアなど、幅広い分野でAIを駆使し、さらに発展していくと思われます。

 

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