AI-K-4-1

現在では数多くのAIが存在します。そしてそれぞれに得意な分野、不得意な分野が存在します。そんな種類が豊富なAIですが、現在は大きく2つのAIに分類することができます。「記号処理的人工知能」と「非記号処理的人工知能」として分類されることがあります。

 

「記号処理的人工知能」とは何か

この場合の「記号」とは、主に数式やプログラミング言語など、いわゆる「シンボル」のことを指すことから、記号主義と呼ばれることもあります。今から数年前、未だここまでAIが成長する前段階であった時代では、こうした記号の処理をメインとしたシステムが主流でした。

さまざまな数式を用いて、データの処理や問題の解決に向けたアクションを起こし、与えられたデータをもとに、正確な解決へと導くのが特徴であり、期待された機能でした。

具体的な例を挙げるなら、IBMのワトソンや、Googleの検索機能などがこれにあたります。

しかし、記号処理的人工知能は、現在主流となりつつあるディープラーニングのようなAIとは違い、与えられたデータの中に存在しないような問題に対しては、より良い解を導き出すことが難しいといわれています。つまり、明確な定義やデータのない、世間でいう「常識」や「ニュアンス」というものは、記号処理的人工知能には、理解することが難しいのです。

こうした、数値や記号で表すことが出来ないシーンで記号処理的人工知能を使うには、一つひとつ、人間が教え込む必要があります。

数年前より、IBMのワトソンは膨大な医学論文を記憶することで、「症状を入れれば論文のリストを導き出す」ことに挑戦しています。「特殊な白血病患者の病名を10分ほどで見抜き、その生命を救った」というニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。

もし仮にこれをヒトが行おうとすると、何時間、何日かかるか分かりません。それだけ、ワトソンが記憶したデータは、膨大かつ有意義なものだったのです。

 

 「記号処理的人工知能」とは何か

一方の「非記号処理的人工知能」とは、文字通り「記号」による処理を行わないAIです。その代わり「パターン認識」もしくは「機械学習」と呼ばれる学習、分析、認識などを自分で行う「ニューラルネットワーク」と呼ばれるアルゴリズムが使われています。

一般的には「画像認識」「文字認識」「音声認識」などで非記号処理的人工知能が活用されています。分かりやすい例を挙げるなら、2015年にプロ棋士を破ったことで有名になった、「アルファ碁」です。

このパターンのAIは、世間でいう「常識」や「ニュアンス」など、明確な定義が存在しない事柄でも、不文律で認識します。人間が関与せずとも自ら学習していくので、仮にビジネスシーンで利用された場合、長期的なコストを削減できるだけでなく、時には人間が気付かなかったパターンを見つけ出すこともあるのです。

 

2つを比較してみると…

この2つのパターンのAIを比較すると、色々な違いが見えてきます。

  •  機械翻訳
    • 記号処理的人工知能:定型文にするのは得意だが、違和感やぎこちなさが残る
    • 非記号処理的人工知能:読み手に違和感を抱かせない、自然な文章を作成できる

AI-K-4-2

  • 条件による答えを見つけ出す
    • 記号処理的人工知能:膨大な量のデータから、適切なものをピックアップする。
      ただし、データの中にないパターンは認識できない
    • 非記号処理的人工知能:膨大な量のデータから、適切なものをピックアップする。
      さらに自己学習もするので、データの中にないパターンでも適切な解を見つけ出すことができる。

 

分かりやすい例として、コールセンターで電話を受けるシーンを考えてみます。

「記号処理的人工知能」の場合、過去のデータや例文を元に、そこに応答パターンが登録されているのであれば、素早く適切な解を探し出して、応答することができます。しかし、過去のデータや例文に無い場合は、適切な応答ができません。

仮に、ヒトが電話を受けた時、過去のデータや例を元にしながら、そこに無いパターンの問合せの電話でも、ある程度は自分の判断で受け答えすることができます。これを可能にするのが、「非記号処理的人工知能」による応答です。

ヒトが電話口で対応する場合、過去のデータや例文を見つけ出すには、多くの時間を要します。しかし「非記号処理的人工知能」が上手く働けば、ヒトが検索するよりも早く、適切な解を見つけ出すかもしれません。

 

非記号処理的人工知能にも弱点はある

「非記号処理的人工知能」の場合、学習によって性能が上がることは間違いなく、長い目で見れば人的コストも低くすることが出来ます。

しかし、この非記号処理的人工知能、上手く機能させるためには非常に膨大な数のデータが必要となります。膨大なデータを与え、学習させて、あらゆるパターンを認識させることができ、なおかつそこには無い「解」も導き出せるほど膨大な、あらゆるパターンのデータを集めることから始めなくてはならないのです。

 

まとめ

いかがでしょうか。

一口にAIといっても、「出来ること」には違いがあります。ワトソンだから出来ること、AlphaGOだから出来るなど、可能性は無限大です。しかし現在のところ、AIがすべてのシーンにおいて、ヒトの代わりになるわけではありません。AIにも向いていることと向いていないことがあるのです。

次回はこの「AIに向いていることと向いていないこと」について、考えてみます。

Pocket

関連記事

サービス

  1. 登録されている記事はございません。

ピックアップ記事

  1. 登録されている記事はございません。

サービス